【モテ期到来】


   ◇◇◇◇◇◇◇◇


暇になるとよく行く地元のバッティングセンター。




受付のおじさんとも顔馴染み。




いつものように「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれる。




「彼女来てるよ。」




そう言われて「違う」と否定しようと思ったが、おじさんに否定しても面倒なだけだと思い、「そうっすか」と答えていつもの打席に向かう。




「本当に居るのか」と思う程静かだ。




もちろんそれはアカリの振るバットがボールに当たってないからだが…。




あれから何度かここで会う。




先週ばったり会った時は約束らしきものをしたが、それ以来は別に約束はしてない。




なのにアカリは何故かここに居て、俺の顔を見ると「待ってたよ~」と無邪気に笑った。




「…お前さぁ…なんでいつも居るわけ?」




「打てるようになりたいの。それに、ここに来れば“コーチ”が居るし。」




「変なヤツ。なんでそんな打ちたいの?」




「…“約束”したから…」




そう呟いたアカリの横顔が一瞬“女”の顔になった。




…いや、日本語がおかしいな…




なんて言うか、普通に“女”に見えたんだ。




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