【モテ期到来】




「太一、夕飯食いに来ないか?」




どこかで見てるんじゃないかと思うくらい絶妙なタイミングでそう言う岸。




腹ペコの俺は「それは奢り?」って聞いた…疑いもせずに。




ここで何故気付かなかったのか…。




そして、岸が居ると言っていたファミレスに着くと、「太一~!」と手を振る岸…と、白石。




“っ…!?…はめられた!!”




だって、奴等のテーブルには知らない女の子達が居るし!




だから今俺は岸の誘いに乗った事を、マジで物凄~く後悔してる。




硬直した俺は、迷わずそのまま回れ右。




「ま、待て待て待て!!」




「…んだよ!俺、行かないっつったじゃん!」




「まぁまぁ。来ちゃったんだから、うだうだ言わずに何か食ってけよ。…奢るから!」




白石にガッチリ掴まれて席まで連れていかれる。




逃がさんと言わんばかりに、岸と白石に挟まれた。




「………食ったら帰るからな……」




ボソッと小声で言うと岸が不敵に笑った。




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