多々なる世界の〇〇屋【企画】
五:【居酒屋】

私の家は居酒屋である。

いや。家と言うよりか、自分を引き取ってくれた「おばちゃん」の家である。

私の親は父は病死、母は事故死という死を遂げている。

そんなこんなで、私は美人で豪快な「おばちゃん」に引き取られたのだ。

そして、10歳の頃に手伝いをしたいと思い始め、14歳の頃から本格的に(自分の意志で)手伝い始めた。

その私の名前は「蘆屋(あしや)弥勒(みろく)」と、なんとも時代的というか、法師的名前である。

きっと、私の苗字が「蘆屋」つまり「蘆屋道満(陰陽師、安陪晴明のライバル)」の名前と同じだからだろう。

身長は女子にも関わらず、185センチ。

どんなに女子に色目を使う変態木刀教師でも、私に恐れをなすほど・・・(色々な意味で淋しい)。

バスケをしているわけでも、バレーをしているわけでもない。

胸板と思えるくらいの貧乳に、女らしくない顔と身体(そう言っておいて実は美少女、などというありがちなオチではなく、これは正真正銘である)こそあって、学校では栄光の『彼女にしたくない女ランキング』にて1位を獲得したほどである。

しかし、逆を言えば『彼氏にしたいランキング』でも1位を獲得している。

それは――私が手伝いをしている居酒屋と、その私のポリシーにあった。


私は、接客上においてのポリシー。



それは、ダンディーである事だ。







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