げーむ
第5章 校内かくれんぼ
綾瀬が出て行ってから、食堂はとても静かになった。
先生もいるにはいるのだが、誰一人として喋らないからだ。
『...みんなどこに隠れてるんだろ』
ふと、その事を考えた。
一番最初に出て行った宗佑は、かなり遠くの場所まで移動することも可能だ。
次は永妻と由紀の2人だが、2人共警戒心が強いので、どこか一箇所に固まっているかもしれない。
梅くんに関しては予想が全くつかなかった。
『綾瀬は...』
綾瀬はどこにいるのだろう。
永妻のように食堂の外で待っているのだろうか。
それとも、たった一人でどこかで息を潜めているのだろうか。
「時間です。最後の方」
先生の声とともに食堂の扉が開けられた。
もうすっかり色が変わってしまった傘を握りなおし、私は立ち上がった。
扉から出る瞬間。
「...幸運を」
小さな声をかけられた。
振り向く事さえしなかったが、心の中で返事をした。
『...ありがとう』
先生もいるにはいるのだが、誰一人として喋らないからだ。
『...みんなどこに隠れてるんだろ』
ふと、その事を考えた。
一番最初に出て行った宗佑は、かなり遠くの場所まで移動することも可能だ。
次は永妻と由紀の2人だが、2人共警戒心が強いので、どこか一箇所に固まっているかもしれない。
梅くんに関しては予想が全くつかなかった。
『綾瀬は...』
綾瀬はどこにいるのだろう。
永妻のように食堂の外で待っているのだろうか。
それとも、たった一人でどこかで息を潜めているのだろうか。
「時間です。最後の方」
先生の声とともに食堂の扉が開けられた。
もうすっかり色が変わってしまった傘を握りなおし、私は立ち上がった。
扉から出る瞬間。
「...幸運を」
小さな声をかけられた。
振り向く事さえしなかったが、心の中で返事をした。
『...ありがとう』