消して消されて
唯は深夜1時になっても眠れず、ベッドの中で体を丸めた。

どんどん消えていく記憶に恐怖した。

さらに消してしまった人への罪悪感が拭えない。

「私って人なのかな…?」

本当に心ある人なら人を消すなんてことしないのではなないだろうか。

唯は自分が悪魔に思えた。

「ごめんなさい…ごめんなさい」

唯はベッドの中で繰り返し呟いた。

最近夜になるとこのようになる。

日中は学校に行くので他のことに気をとられて大丈夫なのだが、夜1人になると妙な不安に襲われる。

こうして深い眠りにつくことはなく夜は過ぎていった。





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