愛 ~①巻~
「あぁ…馬鹿だよ。」

『え…?』

陸…?

私は声のした方を向く。
『龍…』

そこには龍が居た。

髪の毛が無造作に短くなっていた。

あんなに長かった…

綺麗だった…

あの髪が。

『龍…ッ…なんっで…髪の毛が…ッ』

「お前の為」

私の為―――?

ちゅ。

龍は小さな音をたてて、
私にキスする。

いつもと違い、すぐに唇を離す。

『龍…ヒック…なんで…ケホッ』

「こんなに声が枯れて…」

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