ギョルイ
2

 温いお湯の中に体を沈める。首や肩に張り付いた赤い髪。頭頂部からは黒い髪が伸びてきてしまっている。そろそろ染め直さなければ。
大きく息を吸い込んで湯船に全身を沈める。ぼやけた視界の中に舞う赤色が、金魚のヒレに見えた。
少しずつ肺にため込んだ酸素を吐き出す。ごぽりなんて音を立てて空気の玉が水面に向かっていく。
(苦しい)
エラのないわたしは水中の酸素を使えない。どこまでいっても陸生生物のままだ。


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