【完】儚き恋
ご飯を食べ終えたあたしたちは、あたしたちの始まりの、アノ公園に来ていた。
「懐かしいね」
『あぁ。ここから俺達、付き合い始めたんだよな…』
「うん……」
『なぁ紗江?』
「ん?」
『…まだ、不安か?』
なんのことかすぐに分った。
「…ちょっとね」
『なぁ紗江、俺は…ぜってぇ消えねぇ。紗江の前からぜってぇ消えねぇ。永遠に紗江を愛すよ。永遠に紗江から離れねぇ。…俺を信じて?』
「…うん、うん。信じるよ……」
優はあたしの涙を優しく拭い、キスをした。
そして空からは…儚い雪が降った。
「綺麗だね」
初めてそう思えた…。
そう思えたのは…優。
あなたと見たからだよ?

***
1人で見る雪は…綺麗なんて思えないよ。
雪をみるのは苦しいよ。
冬がくるのが苦しいよ。
ねぇ優……。
あなたに会いたいよ…。
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