【完】儚き恋
『腹減ったな。どっか行くか~』
「うん!」
躊躇なく握られた手。
ぎゅぅぅって、握り返した。
温かい、大きな優の手。
握られたくてたまらなかった、優の手。
大好きな、優の手。
『俺の顔になんか付いてる?』
「へっ!?」
『ずっと見られてる気がするんだけど?』
「だ、だって…う、嬉しいから」
『ッ!紗江、マジでそういう顔、他の男に見せんなよ?』
「前から気になってたんだけど、そういう顔って、どんな顔なの?」
『う~ん。可愛くて、食べちゃいたくなる顔?』
「バ、バーカッ」
そういうからかわれたりするの、懐かしく思うのは、気のせいかな??
ずっと、こうだったらいいのにな。
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