ラヴァーズ・ゲーム
8.CICATRIX
「嵩く〜ん!!」


いつものように黄色い歓声が飛び交う、放課後のグラウンド。


舞子は崇を見詰めていた。


相変わらず、崇の周りには女の子が群がっている。


自分との距離を今日も、遠く感じる。


自力で手の届く人では、きっと無い。


ホレ薬は、ポケットに忍ばせていた。


けれど、


踏ん切りがつかず、舞子はフェンスに背を向けた。


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