君と僕のボーダーライン


「ふぅ…大丈夫?」


そう遠くないところから声が聞こえて固く瞑っていた目を開けると、私は高杉くんに抱きしめられる形で支えられていた



『っ高杉くん//…ありがとうっ…』



相手が誰だかわかると私はすぐさま体制を整えた

どうしよう、夢に見たばかりですごくドキドキする


それ以上会話が続かなくなり私は視線を下ろすと、担任に渡された配布物が散乱していた



『あ、大丈夫だよ。ひとりで拾えるからっ…』


すぐに配布物を拾ってくれた高杉くんに言うと



「こんなにたくさん。大丈夫じゃないでしょ、少しは頼りな?笑」


そうふわりと笑って私の頭を撫でてくれた…



あの時と同じだ


私が告白した日も
委員会の仕事を遅くまでやっていたら

“ひとりで頑張らないの”

って頭を撫でてくれた


一年も経つのに、色褪せずに残っている

あの日以来話してないのに…



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