Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
暫くすると真由さんは、お父さんと大津先生と一緒に病室に戻ってきた。


真由さんがお父さんたちを説得してくれたみたいで、午前中に処置をして体調が回復すれば4時間の外出を許すと言ってくれた。


真由さんは私の外出の為に、わざわざ海をお祖父ちゃんたちに預けてくれた。



「噂の彼とはどうなの?」

「喧嘩もなく、ずっと笑って過ごせたよ。相変わらず子ども扱いされちゃうけど」

「フフフッッ」

「真由さん?」



楽しそうに笑い出した真由さんは赤信号で車を止め、私の方を向くと更に笑顔になった。



「娘と恋バナをするのが夢だったの。こんなに早く実現するなんて嬉しいなと思って」

「私も夢…だったかも。お父さんには深くは話せないから」

「ウフフ、そうね。おっと、いけないッッ」



信号が青になり、慌ててアクセルを踏む真由さん。


お母さんが生きてたら、京ちゃんの事真っ先に話しただろうな…「お父さんには内緒だよ」って言って……。





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