雪解けの頃に
 雄一の愛情が深すぎて、“ありがとう”なんて一言じゃ言い表せないよ。

 
 でも、私にはこれしか言葉が見つからないの。

 ありがとう。

 本当に、本当にありがとう。

 そして

 私も愛してる。



 雄一がいなくなって悲しいけど、

 すっごく淋しいけど、

 ……大丈夫。

 絶対に後ろを振り返ったりしないから。


 立ち直るまでに、少し時間がかかるかもしれないけど頑張るから。

 現実から逃げたりしないから。

 悲しみに負けたりしないから。

 

 約束する。

 
“あなたが愛してくれた”という誇りを胸に、私は生きて行ける。



 だから もう 私の心配はしないで。

 天国でゆっくり休んで。




 だけど、

 たまには私の夢に出てきてね。





 理花は二人の写真に向かってもう一度微笑んだ。 

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