戦場派遣
「もう寝ろ。明日も早いぞ。」

男は少し大きめの木の幹に寄りかかるようにして、目を閉じた。

「…こ、ここで?」

杉山は仕方なく地面に横になった。

ごつごつした石の感触。
寝ようとすると、虫の羽音が聞こえ寝るに寝れなかった。

しかし、長時間の歩行で体力を失っていた杉山は少しずつ眠気に襲われ、こんな環境でも寝ることができた。


が、やはり固い地面の上では長時間寝ることができなかった。


「以外と夜は冷えるんだな。ちょっと小便でもしてくるか。」

杉山は寝ていた場所を離れ、用を足すことにした。


無事、用も足し、帰ろうとした時、異変を感じた。

後ろで微かに物音が聞こえた。

杉山はふと、後ろを振り返った。

するとそこには全身黒づくめで、目にゴーグルをつけた人が立っていた。

手にはナイフを持ち、顔が一瞬笑ったように見えた。

「うわぁぁぁぁ!」

杉山は叫んでその場から走って逃げた。

案の定、その男は杉山を追ってきた。

必死で来た道を戻ると、目のまえに迷彩の男がこちらに向かって走ってくるのが見えた。

「どけぇ!」

男に言われ、杉山は横の草むらに飛び込んだ。
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