吸血男子
「お前らって別れられねぇよな…?」


 陸君がそんなことを言う。





 別れる!?




「何いってんの?別れるわけねぇじゃん。別れたいって美梨亜にいわれても別れないし」

「だよなぁ…」




 はぁ…とため息をついた陸君は玄関でしゃがみこんだ。




「どうしたの? 体調悪い…?」

「おま…空気読めよ」



 少し涙目で睨む陸君。




「え…? 熱あるの…? 涙目だよ」

「泣いてねぇし!! 俺がこんなことで泣くわけねぇじゃん!!」




 そう言ってバッと立ち上がると走って出ていってしまった。





「えー…何…?」

「ほっといてやれ」



 熱がよほど高いのか火照った顔でそういう。




「海斗君!! お布団行こッ…」




 腕を引っ張ってベッドに寝かせた。




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