吸血男子
「もう大丈夫…」

 ゆっくりと体を起こした美梨亜は近くにあった水を飲んだ。




「もうすぐ出かけるでしょ? 準備しなきゃね」

「無理すんなよ」



 俺は立ちあがってメイク道具をだしてきた美梨亜に向かって言う。





 男はそんな準備することねえし…。





 美梨亜のメイクをじっと見てる。



「そんなに見るとやりづらいよ」

「あ、はみ出た」

「あぁ!」



 アイシャドーがこめかみまではしった。



「やってやるよ」

「……できるの?」

「たぶん」



 細かいことをするのは好きだけどやるのは初めてだ。




 美梨亜から道具を受け取ってアイシャドーを塗り、メイクを続けた。



「上手ー…」

「ん」



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