吸血男子
 俺は急いで外に出た。





 もういない……。





「上から行ったか?」





 上を見上げるともう真っ暗で星が出ている。






 俺は一晩かけて美梨亜を探した。







「みつからねぇ…」






 美梨亜がいない夜なんて初めてだ。






 俺が美梨亜に全く興味がなかったころもバイトで遅い俺を夕飯を食べずに待っててくれた。




 俺が嫌がっても一緒に寝ない日なんてなかった。






 最初はまずくて食えねぇ飯も美梨亜が一生懸命になって作ってるのを見たら食えた。






 力使えばいいのに、あいつは愛情とか何とかで。






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