吸血男子
「血…」



 私の首筋に顔をうずめて血を吸う海斗君。





「…ぃ…別に…私の血じゃなくても…ッ…いいんだよ…?」

「ヤダ」




 一瞬だけ首筋から牙を離すと同時に鎖骨のほうへ血が流れてきた。





「もったいねぇ…」




 そう言ってペロッと舐めた。


「うわっ……何するの!?」

「何って血勿体ないじゃん…」




 よっぽど血が足りてなかったのか、いつもの凛々しい顔はそこになくて代わりにヘラっと力なく笑う海斗君がいる。




「大丈夫…?」

「…あぁ…ちょっと休んでれば大丈夫。次、体育だろ? 着替えなきゃな」



 海斗君の言葉で思い出した次の授業準備。




 早く更衣室行かないと!!





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