空色クローバー
「虐めはなくなって、水月とも仲直りできました。全部、元通りです。先輩が苦しむ理由はもうないですよ。」

そう言って笑った。
安心してほしかった。

「っ…。」

「!」

先輩が抱きしめてきた。

慌てて離れようとして…やめた。

先輩は少し震えていたから。
泣いてるかもしれない。

しばらくして、先輩は離してくれた。

やっぱり少し泣いてたみたい。

先輩は歳上だし、背も高いけど…なんだかその姿が可愛く見えて、思わず頭を撫でた。

先輩は一瞬ビクッとした後、照れたように笑った。

私に弟がいたら、こんな感じかな…。
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