空色クローバー
思わず手をのばして駆け寄ろうとする。

「あ、行く行く!」

しかし…その言葉を聞いて、足が一歩も動かせなくなった。

2人はそのまま手を繋いで行ってしまった。

そこからどうやって帰ったのか、今でも分からない。
気づいたら家だった。

最初、海ちゃんは全く変わっていないように見えた。

だけど、みー君と一緒にいる海ちゃんは見たことのない顔をしてた。
海ちゃんと、みー君は付き合ってて。僕のことはきっと忘れたんだ…。

幼い俺は、そう結論づけた。
その結論は、年を経た今も変わっていない。

いつも女はすぐ心変わりした。
心変わりするのが女なんだ。

『…僕はずっと忘れてなかったのに。
海ちゃんのこと、好きだったのに。

変わるものなんか、大嫌いだ…。』


…俺にはそんなもの、必要ない。
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