空色クローバー
水月は私の手から逃げながら、フリック打ちでメールを打つ。

「そんな高度な技術使わないで返して〜」

「簡単だし、終わったから送るよ〜。」

わー!!!

「やめてっ」

「わっ………あ。」

……嫌な予感。

「…。」

返された携帯には送信中の三文字。


「保存するつもりだったのに、押すからズレちゃった〜」

「…水月さん、何か言うことない?」

「すみませんでした。」

全く、なんてことを…。

「…何て送ったの?」

「『大切な話がしたいので、会いたいです、時間ありますか?』って。」

「…はぁぁ〜。」

大切な話だったら誤魔化せるかな。
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