空色クローバー
「私、何か悪いことしましたか?」

「…。」

「さっきの言葉は何か理由があったんですよね?」

「…。」

投げかけられる言葉を聞いて、今すぐここから走り出したい気分になる。

「…待って!」

制服を掴まれて、俺は立ち止まった。

もしかして、泣いてる…?

「本当に…本当にもう会えない?
会いたいって、言っても?」

届いた声は泣き声だった。
だけど、泣かせてるのは俺だから、慰めることは出来ない。

「…そうだな。」

出来るのは、返事だけだ。

一瞬、俺の制服を掴む手に力が入った気がした。

「一言だけ…まだ言いたいこと、残ってます。」
< 215 / 237 >

この作品をシェア

pagetop