空色クローバー
教室に入ったのはギリギリだった。

「遅いよっ!」

話しかけてきたのは板野水月。
小学校のころからずっと一緒で、
何でも話せる仲良しの親友なんだ。

「ちょっと色々あって…」

「どうせ、呑気にぽけ〜っと歩いてたら時間ヤバくなったんでしょ。」

鋭いっ!

「うん…まあそれもあるけど…。」

「他にもあったの?」

「男の先輩に思いっきりぶつかっちゃった…。」

「えっ、先輩?本当に?」

「うん。二年生。」

シューズで学年が分かるようになっている。

一年生は青で、
二年生は緑、
三年生は赤だ。

パッと見たときのシューズの色は緑だった。
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