君を愛する
「そうだよ。修二の姿は目に見えないけど、絶対どこかで見守ってくれているから。修二の分まで幸せにならないと、修二から怒られるよ?」
「そうだね」
 私たちは二人して笑った。私は久しぶりに笑ったような気がした。ここ二週間、本当に精神的に苦しかった。でも、これからは絶対に強く生きてみせると心の中で誓った。
 翌日から私は再び大学に通い始めた。昼間は勉学に励みながらも、家に帰ってからは優人の育児に追われた日々が続いた。そんな忙しい中でも、私の頭の片隅からは修二のことが離れていかなかった。いや、修二のことは絶対忘れてはいけないだろう。だって、この世の中で一番に愛した人なんだから……。
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