空色くれよん
その夜、遊び疲れて
眠ってしまった空くんを
寝かしつけた後
翔さんに今日の出来事を
話してみた。

「へぇ、空が君を
ママって呼んだのか。」

「ええ、とっても嬉しかった。
もし空くんの片隅に、
少しでも本当のお母さんの
姿があるんだとしたら
まだ呼んでもらえないかな、
って思っていたから。」

「遥香。
気になるけれど気にしてはだめだ。
その動揺は空に伝わる。
空にとって産みの母親は
とてもつらい記憶としてしか
残っていない。
だから気にしないほうがいい。」

「翔さん…。」

「大丈夫、空は
ちゃんと君をお母さんだと
認識しているよ。」

「ありがとう、翔さん。」

私はお礼を言った。
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