汚れた青春〜HALUNA〜
あたしは
一気に喉の奥へと
流し込んだ…

微かな苦みを感じながらみんなの声の中
あたしは缶一本を
飲み干した…


「………」

なんだこんなもん?

思った瞬間
目の前が歪んでいる

「あれ…?」

みんなの顔が幾重にも
重なって見える

「璃子?」

晴菜の心配そうな声

「璃子〜」

後ろからみんなの声


「…ッキャハハ!」

あたし一人だけの
笑い声がエコーする

「………?」

不思議そうにあたしを
みんなは見つめてる


目の前にあった
マイクを手にとった

「…―ッいこ〜」

“ 最高 ”

あたしの頭を酔いが
支配した

ハイテンションなあたし

曲をガンガンいれて
歌いまくった…

というより…

叫んでた…

途中からは記憶がない


翌日あたしが
目を覚ました場所は…

見知らぬ天井…

「家じゃない…」

すぐにわかった


鼻に香るのは…
晴菜の匂い…

晴菜の部屋だった

ガチャ

晴菜がコーラを
もって入って来た

「あ!起きてた?」

「うん…ありがと」

一言発する度に
頭が痛い…

「も〜昨日飲み過ぎたんだよ!」

あ〜…
これがいわゆる…
二日酔い…

あたしは
少し優越感に浸っていた

酒を飲んだことに…


晴菜が不安そうな
顔であたしの顔を
覗き込む…

「璃子…」

「…ん?」

なんだか重い空気

「なんか変わったね」

「…そ―かな?…」

適当に答えた

璃子が変わったのは…
璃子が一番気付いてた

「なんかさ〜…寂しいよ…」

「は?なんで〜」

あたしは笑った

「璃子がどんどん…
悪くなってく…あたしとつるんだから」

「な〜に言ってんの」

「………」


「あっ!そ〜いえば
今日あのドラマの日じゃん〜!」

あたしは
いつの間にか…

話をそらしていた…。


晴菜の顔も見れなかった

あたしが言葉を云う度に晴菜はどんな顔をしているんだろう…


そう思うと

見たくなかった。
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