いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「勝彦!!」


私は手を振りながら勝彦の元に走って行った。


「フッ、走らんくてもええよ。」


「ハァハァ・・・でも遅刻してる・・・」


私が待ち合わせ場所に遅刻するのは相変わらずだ。


「ハァハァ・・・」


息が切れてなかなか顔を上げられない楓花を見て、
勝彦はやさしく笑った。


その笑顔に付き合ってた時のことを思い出す、
『俺の為に走って来てくれる、それが嬉しい。』
そう言って笑った勝彦の顔を・・・


勝彦・・・


あなたは・・・いつだって私のことを・・・


私は胸が熱くなった。



「大丈夫か?」


「うん、・・・大丈夫!!」


「じゃあ、行こうか。」


「うん。」


私は勝彦の後を付いて歩いた。


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