いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
雄志は男の子に視線を戻す。


俺の子・・・奈緒子が一人で
生んで育ててくれた俺の子・・・


すると雄志は男の子を見てニコッと微笑んだ。


「雄志・・・」


「お兄ちゃん。」


俺の子・・・


すると、男の子もニコッと微笑んで、
「おとうさん!!」
と、雄志の元に駆け寄って行った。


そして駆け寄る男の子を、
いや我が子を雄志はやさしく抱きしめた。


「お父さん!!」


男の子は甘えるように雄志にすがりつく。


「お兄ちゃん・・・」


そんな二人の姿に楓花は思わず涙が溢れた。


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