いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「へっ、へえ~・・・ そうなんや。
やるやん。 どんな人?」


「う~ん・・・やさしくて綺麗な人やで。」


「そうなんや。」


やさしい? 
そんなん初めは誰でもやさしいやん!!

綺麗な人? 
そんなん絶対あかん!!
どうせまたろくな女じゃないわ!!


「じゃあ、行ってくるわ。」


「あっ、うん。 行ってらっしゃい!!」


待ってお兄ちゃん!! 行かんといて!!

私は心で何度も呼び止めた。


しかしそんな私にも気付かず
お兄ちゃんは家を出て行く。



雄志は振り返り笑顔で手を挙げた、
楓花も笑顔で手を振り返す。


お兄ちゃん・・・

楓花は雄志の背中を悲しい顔で見送った。


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