一人睨めっこ

九節 身体

『起立、きをつけ、礼――』

「ふう、帰ろ!」

 ――って

(てめぇふざけんなよ!!!)

 俺は先程の林田並に叫んだ。

 冗談じゃない!!
 何が嫌だ、だ!!!
 元々俺の身体なんだよ!

(おい聞いてるのかよ!!)

『帰ろうぜ〜真琴』

「おう、淳」

 淳ともう一人の俺は教室を出た。

 またスルーされた……。

(淳……)

 お願いだ、気付いてくれ。
 それは俺じゃない。
 お願いだ――――。


 そんな俺の願いも届かず、二人は学校を出て、通りを歩いていく。

「でさー! マジあり得なくね?」

『――真琴』

「へ?」

『ごめんっ!!』

「!?!?」
(!?!?)

 バキイイィィッッ!!!

『――っ!!』

 バタッ……


 俺はその場に倒れ、気を失った。
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