一人睨めっこ
『あっ東校ですかー! 私も志望校そこにしようかなーっ!! 優様と一緒の高校に……キャッ!!』

 葛西が高校入った頃にはもう優兄卒業してるっつーの。
 て言うか“優様”って。

 俺はそうつっこみたかったけど、命の安全を確保する為やめておいた。

『入学した頃には僕達卒業してるよぉ?』

 駿兄が言った。

 嗚呼!!
 ここに空気が読めてない人間が!!


『口つっこんでんじゃねぇよ糞が』

 葛西がぼそりと呟いたのを聞いてしまった俺は後悔した。

 駿兄!! 逃げろっ!

『えっ? 何か言ったぁ? ガキ』

 駿兄が言った。

 …………ええ!!?
 今語尾に凄い物つけませんでした!?

 勿論葛西は語尾までしっかり聞いていた。

『何ですって〜?』

 魔女降臨!!!

『ガキって言ったの聞こえなかったかなぁ?』

 こちらも何か怖い!!

『よ〜く聞こえましたよこのカスが』

『あれっお気に障っちゃったかな、腹黒お嬢様?』

 両者満面の笑み。
 だが目が笑っていない。

 この人達俺以上に変貌してるんですけどー!!
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