一人睨めっこ
『それでね、藤崎のオーラはいつも――』

「いつも――?」

 自分にオーラがあるなんて……凄く気になる。

『一言で言えば地味!!』

 葛西は俺を指差して言った。

 え、それ普通に傷つくんですけど。

『まぁ地味は置いといて、白いオーラ出してたのよ。今も』

 置いとかれた……。
 って今もオーラを!?

 俺は思わず自分の体を見た。
 が、何も見えない。

『普通の人に見える訳無いじゃん。あんた馬鹿?』

 葛西はそんな俺の動作を見て言った。

 また傷つく事を……。

『まぁ馬鹿も置いといて』

 また置いた!!?

『今日の学校で――特に小テストの時――あんたはいつもの地味オーラじゃなかった』

 地味オーラって……。
 小テストの時――もう一人の俺が居た時だな。

『あの時から――あんたには黒い、どす黒いオーラがあった。ちょっと怖かったわ……』

「黒い……オーラ……」

 黒い 黒い 闇のオーラ

 ――“悪い心を持つ人はどす黒いオーラが出ているの”――
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