銀盤少年

予選会


顧問の鈴木先生の車にスケート部四人を乗せて、ようやく会場に到着した。


今日は橋本杯の予選会。新生スケート部の華々しい門出だ。


ただ少し問題点が。


部長のカズと合流出来ていない。


きっと今頃、中部国際空港のロビーだろう。


先日行われたラトビア大会は見事三位表彰台。ファイナル出場に大きく前進した。


ただ残念なことに、予選会と若干時期が被ってしまった。


ギリギリ予選会には間に合うようだけど、カズは休む間もなくSPを滑らなければならない。


本当なら祝賀会を開いてやりたかったけど、それは予選突破までのお預けだ。


「ヒロ君。選手登録とかってどうすればいいの?」


駐車場からリンクに向かう間、優希ちゃんに選手登録の紙を手渡された。


選手登録は既にしてあるけど、今日提出するのはショートとフリーを滑る選手の事前申告。

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