【伝言ｽﾍﾟｰｽ】僕たちと素敵な未来を語らない会

　

しかしそんなネガティブな僕とは対照的に、会員達はワッと盛り上がり、シンジにアレコレ質問を始めていた。


僕は

「お前らな、根掘り葉掘り聞くのはいいけど、ちゃんと参考にして実行するんだろうな？
ここは『羨ましがる会』でも『妄想する会』でもないんだからな！」


と、今回は釘をさす事を忘れなかった。




僕のいつもと違う真剣な眼差しに感づいたのだろうか？


「直哉、お前好きな子できたのか？」


シンジが小さな声で僕に尋ねて来た。


「イヤ、ぼ、ぼ、僕に好きな子なんていないさ。」


小声で答え、慌てて思わず逃げる僕。


他人に厳しく、自分に甘過ぎる僕。


というか、自分に自信が持てない僕。


でも、香奈子さんの事が好きになってからなんだ。


こんなに自分に自信がなくなったのは。


恋がこんなに厄介なものだったなんて…、
僕は今まで知らなかったんだよ。