弾むボール~勇気を出して~

雅樹side

「私に、テニスを教えてほしいの」



正直、嫌味かと思っていた。






「……本気、だよ」



あの、真剣な瞳を見るまでは。


まっすぐに、俺を射抜くような視線……それを見て、思ったんだ。



ああ、こいつは嫌味なんか言ってない。

本気で思ったことを、真剣に言葉にしたんだって。



川越はきっと、いつもまっすぐなんだ。


ぶつかることを恐れない。


そんな川越だから、応援したくなるのかもしれない。
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