毒 と 薬




無駄に静かな授業も終わり、

後の授業でも多少話し声は聞こえたがほとんどの時間が静かだった




先生達も、

「珍しい」

「やっと高校生という自覚を持ち始めたんだな」

「今日はスムーズに進んで先生嬉しいわ」

機嫌が良くなってた


「毎日これならいいんだが」
なんて皮肉を言う先生もいたけど




今はSHR中
コレが終われば帰れる


「はい。じゃあ、起立
さようなら」



担任が適当に挨拶を済ませるとみんな一斉に動き出す

もちろん、私も


私は早足で教室を出て靴を履き替え帰路に着いた

誰にも声をかけられないよう注意しながら



「明日は何かあるだろな」


夕暮れと青空の境目を見つめながら溜め息をついた



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