彼女の10円。
俺は仕方なく一人で飲み続ける。



また一人かよ…。



やけ酒だな。



俺は一人で黙々と飲む。



「ガキが飲み屋になんて来てんじゃねぇよ。」



俺の背後から聞こえる声。



まさかここでも働いてんのか!?



俺は恐る恐る後ろを振り返った。



私服じゃん…。



って何でここにいるかな!?



「何でここにいんだよ…。おめぇはストーカーか!?」

「あんたがアタシの店に来るんじゃん。ってか、1人で寂しく飲んでんなよ…。」



いつの間にか奈々さんが座ってた席に座る女。



「お前も1人だろ…。って、何座ってんの!?」

「うるさいよ。ガキは早く家に帰って寝たら?」



口調が昼間とは少し違う…。



もしかして酔ってる?



「あんた、名前なんて言うの?」

「あ?俺!?太一。市川太一。」



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