彼女の10円。
「アタシは…。太一とは付き合えない…。」

「何で?俺がガキだから?」

「違う…」

「じゃあ何で?俺のこと嫌いなの?」

「……。」



あぁあ。
俺ってとことんバカ…。



「アタシは太一を好きになる資格はナイ。これからも誰も好きになんない。」



何でだよ…。



「俺、帰るな…」



俺は何も言わない純に背を向けて純の部屋を出た。



外は真っ暗で切れかけの外灯がポツンと寂しく光っていた。



俺、振られたよな…。



純…



諦めらんねぇよ…



どうしたら俺のこと好きになってくれんの?



くそっ…



わかんねぇよ。



どうしたらいいのか全然わかんねぇ…。



純…



好きになるのに資格なんていらねぇから。



だから俺を好きになってよ…



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