【完】新撰組と2人の少女
「しっ、新撰組!?」




男の人の顔がどんどん蒼白していき次の瞬間には優を突き飛ばして一目散に逃げていった






突き飛ばされた優を受け止めたのは長身で爽やかという言葉がよく似合う青年だった




思わず優は顔を赤らめる



(かっこいい……)




「大丈夫ですか?」





優は自分に聞かれているのに気づかずにその青年を見つめ続ける





「あのー、僕の顔に何かついてます?さっき甘味処に行ってたんですけど……」






「はっ!!すっすみません!!助けていただきありがとうございました!!」




優は慌ててお礼を言った





「ゆーう!!大丈夫なの!?」






凛は涙目で優に抱き着く





「大丈夫!!ごめんね、心配かけて……」





「優が無事ならいいの!!あー、本当によかった」






「危なかったなぁ!!今度からは気をつけろよな!!」






凛と優に優しく注意したのは、整った顔立ちでまだ幼さを残した可愛い感じの青年だった





「それにしても、君達京の子じゃないね?」





「はい?」




凛と優は首をかしげた





「江戸の人?」




「江戸?」




優はまた首をかしげた




凛はひそかにこの状況を理解しようとしていた




(どう考えてもおかしい
新撰組って江戸時代の話でしょ?なんで?)





「あの〜、あなたたちは?」


凛は遠慮がちに尋ねた





「あ、申し遅れました!!僕は新撰組一番組組長、沖田総司(オキタソウジ)です。」



優を助けたのはどうやら沖田というようだ




「同じく八番組組長藤堂平助(トウドウヘイスケ)!!」




可愛い感じの人は藤堂平助





2人はしばらく反応がなかったのだが……





「「えぇぇ!?」」





と声を荒げたのだった


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