少年少女は夢を見る
dream3 懸命少女


いつも通り遅くも早くも無い時間に教室に入って、頼の姿を見つけて安心する。

始業の10分前に着席が私のベストタイム。


これより遅いと遅刻寸前だし、これより早いと段々眠くなってくる。

友達とのおしゃべりを10分するぐらいがちょうどいい。

「あぁ奈里ちゃん、おはよ」

「おはよー」


席に着いた途端、頼の声。

「今日の数学、先生の気まぐれで小テストあるらしいよ」

「ふふん、私は実力で勝負するから慌てたりしないんだな」

「ま、俺も勉強なんてする気ないけどね」

ゆるゆるふわふわ、頼との会話は心地いい。

まぁどうせ、放課後になったらまた鬱に突入するんだろうけど。


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