【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
Lesson Ⅴ -酔いつぶれ教師と誤解-
1時限目
英語の単語帳に向かって一人で発音の練習をしていたら、突然インターホンが鳴った。
…センター試験まで、時間がないのに…。
こんな遅くに、誰だろう?
ピーンポーン、ピーンポーン
「はーい!」
何度も鳴り響くインターホンに大きな返事をしながら、美織ちゃんか悠ちゃんだろうと予想しながらドアを開けた。
「悠ちゃ……と、え!?舜くん!?」
え、な、なんで…!?
玄関前には疲れ切った悠ちゃんと…。
悠ちゃんに肩を借りているけど、今にも倒れそうな舜くんの姿が。
「な、何事…!?」
少し慌てた私だけど、すぐに状況を理解した。
多分、2人とも……。
「お酒飲んだの?」
私がそう聞くと、悠ちゃんは苦笑い。
「ん?あぁ、ちょっとな。篠崎、酒弱いくせに6杯も飲みやがって…。合コンでもないのに呑みすぎなんだよなぁ」
「……………げほっ」
あらら…。
舜くん、苦しそう…。
そういえばお父さんも、お酒弱いのに酔いつぶれて部下の人に送ってもらってきたことあったなぁ。
あの時は、吐くし苦しそうだし、お風呂も入らないで寝ちゃって…。
本当に心配したよ。
だけどお母さんにすっごく怒られたのが効いたのか、それ以来飲み会はほとんど断って家に帰ってくるようになった。