【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-

2時限目







「………………」




朝だ…。




リビングの方から注がれている光を見て、寝ぼけ眼でそう確信する。




私は体を起こして、その場に座り込んだ。




なんで私、廊下でなんか寝てるんだろう…?




勉強のしすぎかな…。




もしかして、急激に勉強し始めたから…!?




…今まで勉強に慣れてないからなぁ。




仕方ないか。




「よいしょ」




小さい声でそう呟き立ち上がると、信じられない光景が目に飛び込んでくる。




「………ひな…?…なんで…」




驚きの声色でそう尋ねてきた男の人…。




「え…!?」




なんで、はこっちのセリフだよ…!!




どうしてウチに、舜くんがいるの!?




まだ早朝なのに…!!




お互いパニックになり、二人で今の状況の理解に苦しむ。




「やべぇ…。全然何も思い出せない……」




起き上がってあぐらをかき、頭を抱える舜くん。




一方の私は、だんだんと記憶が覚醒し…。




えっと、昨日は確か酔い潰れた舜くんを、悠ちゃんがウチまで送ってきて…。




なんだかよくわからないけど、舜くんを預けられ…。




ほぼ寝てる舜くんと、色んな戦いをして…。




「一緒に寝ちゃったんだ…」




舜くんが引き留めるから、仕方なく、ね。




小さな声で言っただけだったのに、舜くんにはバッチリ聞こえたみたいで…。




「い、一緒に寝た!?!?なにやってんだ……俺…」




舜くんは驚きのあまり、大きな声をあげた。




や、そんなに落ち込まなくても…。




ただ隣…というか近くで寝てただけで、これといった事は微塵もしてないし…。




私も、“この人はお父さんだ”って思って寝たから。




私は黙り込んだ舜くんに、一声かける。




「たまたま近くに寝てただけだよ?それに、彼女さんには言わないから大丈夫」




本当に何もないしね。




ニコッと笑うと舜くんは安心したのか、よろよろとたちあがった。




「手ぇ出してないか。良かった…」




あ、当たり前!!




手なんか意地でも出させません!




…だって、もし私が彼女さんの立場だったら嫌だから…。







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