アダルトチルドレン
とつぜん
私はいつものように疲れきった顔をしながらカウンターでグラスを拭いていた



高校卒業してすぐ夜の世界に入った


ほんとは水商売なんてキライだ


でも生きるために必死に働かないと



暗い先を想像しながらせっせと掃除をする



「ユキ〜!こっちの席着いて」


お店のママが私を呼んだ


「はい、今着きます」



ハンカチ、名刺、マッチとタバコを持って席に着く



「はじめまして。ユキです。よろしくお願いします」


見知らぬお客さんに名刺を渡す


「ユキちゃん、可愛いね〜」


「いえ、そんな……」



酔ったオジさん達を相手にいつものように会話が始まり盛り上げていく




< 3 / 86 >

この作品をシェア

pagetop