アダルトチルドレン

現実と空想

仕事が終わった後喜代さんが私の部屋まで送ってくれると言って一緒に手を繋いで歩いて帰った

だんだん喜代さんと居る時間は苦痛に感じなくなった

一緒に居るだけで楽しい
こんなにはしゃいで歩いたのは久しぶりだ


もうすぐ秋が近い


ひんやりと外の空気は冷たかった


「今度どこデートする？」

「喜代さんの家に遊び行きたい。私ご飯作ってあげる〜」

そう軽い冗談を言って笑いながら喜代さんの顔を見上げて言った


「家はだめだよ」

喜代さんは暗い顔つきになった

「どうして？」

「子供も妻も居るから…」

「え？そうなの？ひとりで暮らしてるんじゃないの？」


私は少し戸惑った


「いや、バツイチだけど再婚してからは別れてないよ…」


「そっかぁ。私、もう独り身かと思ってた」



そう、私は喜代さんがただ独りのひとなんだと勝手に思い込んでいた


でも別にこんな話しはどうでもいいと思った

だって 私は喜代さんなんか本当は好きじゃないハズだから