学舎ハーレム
15
「お門違いの復讐だろ?」

幸大が言う。

「…。」

「お前のことは調べてある。

お前が一度転校する前に、な。」

「な!?」

「金持ちで温室育ちで苦労の知らない奴らが腹立たしいんだろ?」

「ええ、そうですよ…」


「閖さん…何でですの?」

麗美が言う。



「私、父とその愛人の娘なんです。」

「え?」

麗美が驚く。

「言ったことないですよ。

当たり前じゃないですか…

あなたたちは私が騙して、貶めて、絶望させたかっただけですから。」

「そんな…」

真知が言う。

「私の母は病気でなくなりました。

仕方なく父は私を養子にしたんです。


父の正妻との養子に。

もちろん、異母兄弟がいましたよ…

姉や兄だけでなく…妹にまで虐げられ…

邪険に扱われ…クズ扱い…


果ては居ないものとして扱われたんです!!

両親は世間体のために外では私をよく扱い…妃学園にも通わせました。


この学園の生徒は全員が世間知らず…

相手も自分と同じだけ恵まれてる…


その思い上がりが腹立たしい!!」

「閖…」

真知が言う。


「私は真知が気に入らなかった。

親が兄ばかりを…

ただそれだけで自分が不幸だと言っているあなたが憎かった!!

私は真知よりも酷い扱いだ、差別なんて生易しい、たとえ酷くともそこにいると扱われてるのだから!!」
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