学舎ハーレム
「勇気が…何かしてくれるんですか…」


「間違うな。

勇気があるから何かするんだ。


相談する勇気、助けを求める勇気…


それが決定的に足りないんだ。」


「…。」

「お前が苦しかった時に誰かに助けを求めたら何か変わったかも知れない。

お前が俺に会った時に助けを求めたら確実に俺はお前を助けた。



ただ、お前にそうする勇気がなかったんだ。


誰かを頼るのも悪いことじゃない…


むしろ、友だちとかに頼らない方がどうかと思うぞ?」



「…。

もし…

もし、私が、今助けを求めたら…助けてくれますか…?」

閖が涙を流しながら言う。


「もちろん、助けてやる。

美人だし、友だちである閖の頼みだ。


まぁ…ただではないがな。」



「…。」

ぎゅっ。

閖が幸大の制服にすがり付く。



「私を…助けて!

警察に捕まるのが怖いんじゃないんです…


結局…何も変わらない…変われないことが…怖い…


何をしても…

何もしないのと同じなんて…


もう…いや…



御願い…私を…


私を助けて!」


閖が解き放った言葉がプールに反響した。
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