学舎ハーレム
時は流れ放課後


校舎裏(中庭)



朝日はラブレターの返事のためここに立っていた。


「ここだと話し声なんか聞こえないわよ?」

瑠璃が言う。

「そもそも幸大さん、これは無礼ではありませんの?」

麗美が言う。

「確かになんか朝日に悪い気が…」

真知が言う。

「相手の女子にもな。」

渚が言う。

「その割りには皆聞く気満々だよね。」

皐が言う。

「朝日君はなんて返事するのかな?」

睦月が言う。


「俺は礼儀よりも友情を優先するからな。」

「幸大さん、それで中学校の修学旅行に男子全員で女子風呂を覗いたって聞きましたよ?」


「友情と協調性を俺は大切なしたからな。



さて、」

カチャッ、

幸大はアタッシュケースを開けて何かの機械を組み立てた。

「あ、これバードウォッチングの時のやつ?」

真知が言う。

「ああ。

集音マイクだ。

しかもかなり高性能。

ノイズキャンセラ付き。」


「あ、来たよ。」

睦月が言う。


「よし。」


集音マイクのスピーカーからは朝日の声。


「皆、静かにな?」

幸大が言う。
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