カンボジアのコト

えっと…カネ?
日本からカンボジアへ来た目的はカネですか?
ボランティア精神を持ってここへ来た方だと思っていました。
日本語を伝えたいという夢を持って来た方だと思っていました。
思い込みはいけませんね。
先生は、寸志を包むことにした。
学校の門に張り紙がありました。
「ボランティアお断り。」
……強い。
確かに、日本でもボランティア問題になってるしな。
授業の休憩中に、快く教室に案内してくださいました。
もう少し早くついていたんですが、授業中だと、部屋に入れてくれませんでした。
まあ当然ですわな。
私達が毎回強引に教室に入りこむのが悪いんです。
以前、いくつが学校訪問した際、授業中おかまいなしに教室へ入っていった。
生徒さんの席をつめて、私たちも席に座ります。
一緒に授業を受けている感じです。
今から音楽の授業だそうです。
「ふるさとは、日本人なら、誰でも知っている歌です。」
後ろで話し声が聞こえた。
「ふるさとってどんな歌?」
「あれでしょ?うさぎ美味しいってやつ。」
「あぁ!あれか・・・。」
「さあ皆さんでうたいましょう。そちらの方たちも一緒に。」
げっ。私たちもかい。
見学っていうより、生徒になってしまった。
いえ…歌うのはいいんです。私は1番以外知りません!!
「口ぱくでいいから。」
先生がつぶやきました。
そして歌いました。口ぱくで…。
< 114 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop