カンボジアのコト

再会

「エンドー!久しぶりー!!」
エンドーも、満面の笑みで、
「久しぶりです。エリさん。」
そして、私に、カウンターパンチをくらわせた。
「エリさん、時間間違えたネ。あなた9時につくと言った。でも、私調べたら、7時に着く飛行機でした。あなた、9時って言ったけど、7時についたら、かわいそうだと思って、私はやく来た!偉いデスカ?」
と、私のほっぺたをつねる。
「………9時じゃねえ19時だっ!!」
「19時ってなんですか?」
「数字勉強しやがれこんちくしょう。」
私、危うく一人にされるところだった…。
ほらね、と言わんばかりに笑った、幼なじみに、そっくりの人。
忘れてたけど、この人誰?
「彼は、ハーマン友達ネ。」
彼の肩をたたきながら、エンドーが紹介した。
「はじめまして。高木先生から話は聞いています。」
ハーマンが丁寧にお辞儀して言った。
「はじめまして。エンドーより日本語上手ね。」
「うるさいねー。晩ご飯食べに行こう。」
エンドーが私の荷物を持って前を歩く。
と、トゥクトゥクをつかまえはじめた。
「車は?」
エンドーは車を持っていると高木先生から聞いていたのだ。
「あれは、壊れたねー。だから、トゥクトゥクで行くねー。」
エンドーと私がトゥクトゥクに乗り、ハーマンがバイクで後ろから追ってくる。
空港へ来るときは、ハーマンと、エンドーが2人乗りして空港まで来たらしい。
夜風にあたりながら、髪の毛は、メデューサのようになりながら、
私は、カンボジアに来たことをかみしめていた。
「元気してたか?」
エンドーが、じっと私の目を見てきいた。
「元気してたよ。エンドーは?元気になった?」
そう…日本が冬の頃、エンドーの心も冬だった。
結婚を決めた女性に逃げられたらしいのだ。
先生の話では、落ち込んで落ち込んで全然話にならなかったと心配していた。

ーーーーーー豆知識ーーーーーー
日本人は時々、午後と午前を間違えたらいけないからって、
24時間の時刻で話すことあるけれど、
24時間の時刻で話しても通じない国があるんだョ。
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