♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「ごめん、唯香ちゃん。
話そうと思ったんだけどさ…」

「ひどい…ひどいよ、美月ちゃん。
どうして言ってくれなかったの?」

「あたし、本当は昨日…」

「…美月ちゃんのこと、友達だと思ってたのに!」

涙目をまっすぐあたしに向ける唯香ちゃん。

唯香ちゃんの悲しい声に、立ちすくむあたし。



「あ、あたし…」

「…もう何も聞きたくない」

泣きじゃくって店を飛び出す唯香ちゃん。



「…唯香!」

瀬戸内が、彼女を追いかけて出ていく。



あたし、本当に最低だ…

こぶしを握りしめて、その場に立ちつくす。

あたしは、唯香ちゃんの背中を追いかけることができなかった。
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